北海道恵庭市で「黄金ふれあいフェス」に参加―滋慶学園の学生たちが未来を担う多分野の職業体験を地域の方々に届けました!

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 10月13日(月)、北海道恵庭市の地域施設、黄金ふれあいセンターにて、子どもから高齢者まで幅広い世代を対象に救急救命士や美容師など多様な職業への理解を深めてもらうイベント「黄金ふれあいフェス」が開催されました。同センターと指定管理者のシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社が主催し、学校法人滋慶学園の北海道ハイテクノロジー専門学校、北海道エコ・動物自然専門学校が共催、札幌ベルエポック美容専門学校が協力する産学連携プロジェクトで、本学園の学生たちも説明や体験補助などの運営に参加しました。午前10時から午後2時までの4時間で約500人が来場し、会場は大いに賑わいを見せました。

全プログラム終了後、学生と関係者で記念写真

 本フェスの目的は、専門学校での学習成果を地域に公開し、職業理解と交流の機会を提供することにあります。会場内ではホールを中心に、救急車見学と救急体験、ドローンサッカー、ドッグ関連のブースを配置し、会議室と和室ではヘアメイク、耳つぼと健康チェック、AI・プログラム、eスポーツ、ハンドマッサージ、ネイルの体験を展開。受付周辺ではクラフトコーラとリップクリームの製作・飲食コーナーを設けました。来場者は恵庭市内をはじめ、札幌市、江別市、千歳市、北広島市など、道内各地から足を運んでくださいました。

 午前9時半の朝礼を終えると、イベントがスタート。救急救命体験ブースでは、救急車の展示と模擬手技の2つを実施し、学生たちが車両装備の説明や、人形を用いた気管挿管などの処置のデモンストレーションを行いました。見学者は、器具の名称と用途を確認した後、消毒や手袋着用などの基本手順に従い、短時間で体験を行っていました。
 隣のブースではドローンサッカーを実施。ドローンサッカーは、サッカーボールに見立てたドローンボールを相手ゴールにくぐらせて得点を競うチームスポーツで、安全ネットで囲ったコートに小型機体を投入して操縦体験を行いました。体験は1人10分ごとの交代制とし、学生が離陸前点検、操縦切替、着陸後の回収・充電を担当しました。周囲に観戦エリアを設けることにより、順番待ちの可視化と安全確保を両立させました。

小型陸上ロボットを用い、障害物コースで
操作手順を確認(テクノロジー分野)
中学生以上を対象にしたヘアアレンジのコーナー(美容分野)

 3つの会議室のうち、会議室Aは中学生以上向けのヘアメイク体験コーナーとして使用。ミラー台や器具を整え、施術手順が分かりやすいように配置を工夫しました。会議室Bでは耳つぼと健康チェックを同時進行させ、所要時間や注意事項を掲示して回転率を上げました。会議室CではAI・プログラム体験とeスポーツのコーナーを併設。AI・陸上ロボットはセンサーとカメラを備えた小型機を使い、障害物コース走行やターゲット到達などの課題に取り組みました。eスポーツは家庭用ゲーム機を用い、即席の対戦会方式で操作体験を提供しました。和室にはハンドマッサージとネイルの体験ブースを設け、タオルや消毒液、使い捨て備品を置くなどして衛生面に配慮しました。

調理台で計量と盛付を行い、来場者に提供手順を
説明します(食品提供・接客)
人工芝区画で指導者が見守り、安全配慮の下で
ふれあいを実施(ドッグ関連)

 受付周辺のクラフトコーラとリップクリームの製作体験コーナーでは、計量、加熱、充填などの工程を見える化。飲食コーナーでは仕込みと配膳を分離し、温度管理と手袋着用を徹底してサービスを行い、300食超を提供しました。ドッグ関連の体験は人工芝エリアで行われ、担当者が周囲の人の流れを見ながら接触の距離と時間を調整しました。

 フェスの実施にあたっては、来場者が短時間で効率よく体験を楽しめるよう、各ブースの所要時間と動線を標準化し、10時半と12時半の整理券不要枠を設定するなど工夫を凝らしたことで、会場内の滞留緩和につなげることができました。また、安全確保のため、救急救命士学科の学生と元消防署員で救急救命士の国家資格を持つ職員が会場内を常時巡回し、予期せぬ事案にも迅速に対応できる体制を整えました。こうした取り組みが評価され、終会時には主催者などから「次回も実施したい」との意向が示されました。

 本プロジェクトは、専門教育の成果を地域に開示し、職業理解と地域交流を同時に進める実践の場となりました。学生は説明、案内、安全見守り、記録などの役割を分担し、来場者は短時間で複数分野の職業に触れる体験をすることができました。今回のブース間の回遊時間と体験時間のデータをもとに、ピーク時間帯の人員配置や待機表示の細分化、デジタル整理券の試験導入などを検討し、次回はさらに進化したフェスを実施したいと考えています。