東京メディカル・スポーツ専門学校 理学療法士科Ⅰ部の1年生が、10月26日に東京都江戸川区で行われた「江戸川マラソン大会」で、保健体育の授業の一環としてトレーナーブースを運営しました。安全管理や導線の確保から、ベッド周りの準備・片付けまで、現場運営の一連の流れも実体験として学ぶことができ、学生たちにとっては貴重な機会となりました。

当日の朝は雨予報でしたが、次第に空模様が落ち着き曇り空になると、会場は活気にあふれました。ブースには小中学生を中心に多くのランナーが訪れ、待ち時間が出るほどのにぎわいに。学生は1人あたり3〜6名に対してストレッチやリラクゼーション、簡便なコンディショニングを実施し、走る前後の身体の変化や訴えに耳を傾けながら丁寧に対応しました。
限られた時間の中で、学生たちは問診や声かけ、表情・反応の観察を通じて、力加減の調整やより安心していただくためのコミュニケーションの重要性を実感。「痛みの確認」「どこを伸ばしたいかのヒアリング」「目的と効果の分かりやすい説明」を意識することで、同じ手技でも年齢や体格、レース前後といった状況に合わせて介入を選択する判断力が養われました。
はじめは緊張でぎこちなかった学生も、会話を重ねるうちに落ち着いて対応できるようになり、ストレッチの強さや支える手の位置をその場で微調整していました。利用者からは「体が軽くなった」「また走れそう」といった声が聞かれました。施術の合間には、互いの対応を見学し合いながら良い工夫を共有する姿も見られ、チームとしての学びが深まりました。

今回の取り組みを通して、スポーツイベントという生きた学びの場で、教室で培った知識を実践へとつなげることができました。参加者の笑顔と温かい言葉は、学生の自信と成長を後押しし、「人に寄り添うケア」の手応えを確かなものにしたことでしょう。多くの方にご利用いただき、学生にとって大変有意義な時間となりました。
