骨髄移植推進キャンペーンミュージカル『明日への扉』東京公演を上演!

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骨髄移植推進キャンペーンミュージカル『明日への扉』の東京公演が、2024年1月26日と27日の2日間にわたり江戸川区総合文化センター(東京都江戸川区)で上演されました(主催:東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校、東京スクールオブミュージック専門学校渋谷、東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校、東京俳優・映画&放送専門学校)。

カーテンコールの拍手が鳴り止まない、感動いっぱいの公演

「生きることの素晴らしさを伝えたい」―先輩の想いを引き継ぎ30年のロングラン公演に

ミュージカル『明日への扉』は、骨髄バンクの窮状を知った大阪スクールオブミュージック専門学校(学校法人コミュニケーションアート)の学生達が「自分たちにできることはないのか」と考え、1994年に初演。コロナ禍の2020年度、2021年度は開催直前まで準備をしていたものの残念ながら中止となりましたが、昨年度(2022年度)より公演を再開。今年度は、先に開催された大阪公演を含めて6公演を行い、総公演回数は179回を数えるまでになり、本作にかける想いは後輩たちに受け継がれ、30年に渡るロングラン公演となっています。

『明日への扉』が上演された江戸川区総合文化センター
大ホール入口。高校生や日本語学校生らも鑑賞
夏目雅子さん、田中好子さんの写真と花が飾られたロビー
浮舟邦彦理事長も公演を鑑賞

「生きることのすばらしさを伝えたい」―その想いで、総勢645名の学生達がキャスト、制作、演奏などのすべてを担当、長い準備期間を経てこの日を迎えました。

開演に先立ち、『明日への扉』総合プロデューサーで大阪スクールオブミュージック高等専修学校 喜多静一郎学校長が、本作の歴史と開催趣旨を話しました。

本公演の準備は授業として行われています。一番大切なことは「生きることのすばらしさ」を伝える心構え。最初に、骨髄バンク関係者やドナーになられた方々から話を伺う機会を設け、骨髄バンクや白血病などの病気について自らも学びます。「このミュージカルの目的や、何のために1年間に及ぶ大変な準備をしていくのか、その大切なコンセプトをしっかり学び、マインドを鍛えます」と喜多学校長。出演者らは歌やダンス、演技のレッスンを、PAや照明、制作などのスタッフはぞれぞれの専門分野の技術や知識を学びながらミュージカルを制作していきます。

このような準備を経て迎えるこの骨髄移植推進キャンペーンミュージカル『明日への扉』は、多くの企業にご賛同、ご協賛いただいて公演を実施しています。喜多学校長が今年度協賛いただいた166社の企業をモニターで紹介すると、客席から大きな拍手が贈られました。

挨拶の最後に「ミュージカルの初演に関わった学生たちの言葉をひとつずつ紡いで作った歌です」と紹介された、30年変わらないオープニング曲・ゴスペルアンサンブルの歌『明日への君に』で、公演の幕が開きました。

挨拶をする喜多静一郎学校長
オープニングを飾ったゴスペルアンサンブル
学生によるエレクトリックバンドが全曲を演奏
コーラス、ドラムラインで出演した学生たち
お客様をロビーで迎える会場運営の学生スタッフ
仕込みから本番、搬出まで、音響、照明、映像も学生が担当

ミュージカルスターの夢を追う若者たちが仲間の病気を機に命、友情、自らの生き方と向き合う物語

物語は、ミュージカル『明日への扉』のオーディションの場面から始まります。主役を目指す主人公ゆかりにとって最大のライバル・遥(はるか)が、最終オーディションを前に慢性骨髄性白血病で倒れ、ゆかりをはじめ仲間たちの心が揺れはじめます…。HLA型が適合したゆかりは骨髄の提供に同意しますが、皮肉なことに骨髄採取の日が最終審査と重なってしまい―。
夢を追う若者たちの葛藤を通じて、生きることの素晴らしさを伝えました。

物語の始まり、オーディションシーン
夢に向かう若者たちのパワーみなぎるバンド演奏とダンス
白血病を患い倒れる遥。残された希望は骨髄移植
医師役がドナー登録や骨髄移植についてわかりやすく説明
遥の恋人•優二が仲間にドナー登録を呼びかけるが…
タップダンス、ラインダンス、HIPHOPなど、
多彩で迫力満点のダンスパフォーマンス
遥の心の葛藤が人間の傲慢さを裁くシーンと重なって展開
「命か夢か」ゆかりが葛藤するクライマックスシーン

学生代表と夏目雅子ひまわり基金 小達代表事務局長が骨髄バンクへの理解と募金を呼びかけ

終演後、学生スタッフの代表学生が登壇し、想いを伝えました。第178回公演(1月26日・夜)では、東京スクールオブミュージック専門学校 音楽テクノロジー科の奈須田さんが「31年前、先輩方の、一人でも多く救える命を救いたいという思いからミュージカル『明日への扉』がスタートしました。そして、多くの方のご賛同とご協力を賜り、私たちは今日のこの公演を迎えることができました。本当にありがとうございました」と、やり遂げたという感動の涙とともに挨拶をすると、客席から大きな拍手が沸き起こりました。そして「54万人以上の方が骨髄バンクにドナー登録されています。登録数が30万人を超えれば、殆どの白血病患者の方を救うことができると言われてきました。しかし、せっかくドナーが見つかっても断られてしまうケースや、検査や治療で高い費用がかかるため、経済的にもご本人やご家族を苦しめているのが現状です」と病気と闘う方々の窮状を訴えました。

つづいて、一般社団法人夏目雅子ひまわり基金 代表事務局長で、夏目雅子さんの実兄である小達一雄さんが登壇し、「妹・夏目雅子は1987年、急性骨髄性白血病でこの世を去りました。27歳でした。難しい病気に罹ってしまった時に医者に聞くことは一つでした。『助かりますか?』。残念ながら医者から言われたのは『無理』という言葉でした。諦めるしかありませんでした。しかし、この病気は時とともに治る病気に変わりました、ドナーに巡り会えれば。治る病気となっても、未だにドナーに巡り会えていないご家族、友人、関係者の方々が、北海道から沖縄まで、今この瞬間も走り回っています」と、骨髄バンク、ドナーへの家族としての切実な想いを伝え、学生とともに理解と協力を来場者に呼びかけました。

2回、3回とカーテンコールが続き、スタンディングオベーションや「お疲れ様」、「ありがとう」という温かい声援が贈られたエンディング。大きな感動の中、2023年度の全公演が無事に幕を下ろしました。

学生を代表して挨拶する、運営スタッフを務めた
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校の奈須田さん
骨髄移植への理解を呼びかける
「夏目雅子ひまわり基金」の小達代表事務局長
カーテンコールとスタンディングオベーション
終演後、出演者と学生スタッフが募金を呼びかけ

会場でお預かりした募金は、一般社団法人夏目雅子ひまわり基金、公益社団法人日本骨髄バンクに、ミュージカルに携わった学生から直接、毎年の卒業式で寄付しています。

来年度(2024年度)も大阪と東京にて公演を予定。先輩から後輩へ思いが繋がれ31年、180回目の公演の幕が9月、大阪で上がります。

骨髄移植推進キャンペーンミュージカル『明日への扉』
2023年度 第177・178・179回 東京公演

【推薦】
 厚生労働省

【後援】
 一般社団法人夏目雅子ひまわり基金
 公益社団法人日本骨髄バンク
 江戸川区

【特別協賛】
 青山商事株式会社「洋服の青山」
 大塚製薬株式会社
 株式会社学生情報センター
 キヤノンITソリューションズ株式会社
 コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
 株式会社サードウェーブ
 サントリーホールディングス株式会社
 株式会社ジェイ・エス・ビー
 株式会社長谷工システムズ
 株式会社ライオン事務器
 をはじめ、166社の協賛により上演されました。

【主催】
 東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校
 東京スクールオブミュージック専門学校渋谷
 東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
 東京俳優・映画&放送専門学校

【協力】
 東京コミュニケーションアート専門学校
 TCA東京ECO動物海洋専門学校
 東京デザインテクノロジーセンター専門学校
 東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校
 東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校

⚫︎『明日への扉』ウェブサイト 
 https://www.asuenotobira.jp