社会貢献ミュージカル『明日への扉』2025年度東京公演―657名の学生が作り上げました!

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 2025年9月5日(金)、6日(土)の2日間、江戸川区総合文化センター大ホールにて、滋慶学園の4校が合同で社会貢献ミュージカル『明日への扉』東京公演を行いました。このミュージカルは、東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校、東京スクールオブミュージック専門学校渋谷、東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校、東京映画・俳優&放送専門学校の657名が作り上げました。
 ミュージカル『明日への扉』は、骨髄バンクの窮状を知った姉妹校の大阪スクールオブミュージック専門学校の学生が、私たちにできることは何かを考え、1994年に初演を行った31年目のオリジナルミュージカル。キャスト、演奏だけでなく、音響、照明、舞台制作、会場運営など、すべてを学生が行っています。「生きることの素晴らしさを伝えたい」、その想いは先輩から後輩に受け継がれてきました。これまでの公演数は、2024年度までに185回にのぼり、約24万人もの方々にご覧いただきました。

 公演初日の5日(金)は台風15号の影響で、午前中から断続的に激しい雨が降る生憎の天候でしたが、それでもこの日は企業や業界の方々を中心にほぼ満席に。学生たちは夏休みを返上し、練習と準備に打ち込んでこの日を迎えました。来場者は3公演で3,309名。どの回も最後は観客が立ち上がり、熱烈なスタンディングオベーションが送られました。何度もカーテンコールが繰り返され、絶え間ない拍手と感動が会場を長時間包み込んでいました。

『2025年度 明日への扉 東京公演』のラストシーン。観客全員がスタンディングオベーション
会場の江戸川区総合文化センター
大ホール入口の大看板
たくさんのスタンド花が並ぶロビー


2025
年6月に大阪・関西万博内シャインハットから世界に発信
学生たちが繋ぐ想い『生きることの素晴らしさ』を伝えたい

 開演にあたり、『明日への扉』の総合プロデューサーで、姉妹校の大阪スクールオブミュージック高等専修学校の喜多静一郎学校長が、このミュージカルのスタートの背景から31年間の歴史と、産学連携教育の一環として始まったことを話しました。「この『明日への扉』は必須科目として、まず病気について患者さんのお話なども聞いて学びます。そして、自分たちが学んでいる様々な専門知識をどのようにして形にして皆様に感動という形で伝えていくのかとういことや、仕事を通して社会に貢献していくことを勉強してスタートします。その後、専攻ごとに様々な知識や技術を身につけ、半年間かけて今日の公演にたどり着きます」と、本日の公演に至るまでの流れを説明をしました。また、2025年度のトピックスとして「158の国と地域が集まり、大阪・関西万博が行われました。その中で、海外の方々にぜひご紹介すべきイベントに、この『明日への扉』が選ばれました。そして、6月16日(月)にメインホールのシャインハットにて学生たちが無事に公演を行いました」と、海外からの来場者を含め2,700名もの方々にご覧き、31年目となる2025年に学生が繋いできた『明日への扉』のコンセプトを世界へと発信できたことを報告、この活動を支えていただいた企業の皆様に改めて感謝を伝えました。最後に、「31年前に参加した学生たちが、自分たちの思いを1行1行、短冊に書いて言葉を集めました。そして学生が作曲し、ずっと歌い継がれてきたキャンペーンソング『明日への君に』で幕を開けたいと思います」とゴスペルアンサンブルを紹介し、公演の幕が開きました。

挨拶をする総合プロデューサーの喜多学校長
歌でオープニングを飾ったゴスペルアンサンブル

ミュージカルスターを目指す主人公のゆかりたち
ライバルの遙が病に倒れ、それぞれの心に葛藤が生まれる

 オープニングは、劇中ミュージカル『明日への扉』の主役・ハーミア役を争う、第一次審査オーディションから始まります。最終選考に残ったのは、主人公の吉川ゆかりをはじめ、井上真弓、松本俊江、園田遙の4人。最終選考を控えたある日、遙が突然倒れます。病名は慢性骨髄性白血病、家族とはHLA型が適合せず、命をつなぐ残された望みはドナーだけでした…。
 自分にも人にも厳しく生きてきたゆかり、主役を勝ち取るためには手段を選ばない真弓、スポンサー令嬢の俊江ら、ミュージカルスターを目指す若者たちが、遙の病気をきっかけに、命、愛、自分自身、家族、友情、そして各々の生き方について考え、生きることの素晴らしさに気づき成長していくものがたりです。

オーディションシーンからスタート
倒れた遙の病名は慢性骨髄性白血病
仲間にドナー登録の協力を訴える遙の恋人・優二
命か夢か、葛藤するゆかりのクライマックスシーン

 ミュージカルには、第三者の立ち合いのもとで行われるドナーが移植の最終確認をするシーンがあります。家族代表の同意が必要なこと、最終同意後は患者さんの移植準備が始まるため、原則として同意の撤回ができないことなどが、わかりやすく表現されています。また、遙が倒れたシーンでは、医師役が現在のドナー登録者数や移植を希望する患者数といった現状、兄弟姉妹間で4人に1人、非血縁者間では数百人から数万人に1人であるというHLA型の適合率を伝えます。「ドナー登録者数は現在(2025年9月末)56万人。多いように思われるかもしれませんが、今後患者さんの増加が予想されることと、より確実な移植のために、理論上30万人を維持しなければならないのです」と述べ、最後の「骨髄ドナーがもっと増えることを願わずにはいられません」という言葉に、会場から拍手が湧き起こりました。

骨髄移植について説明する医師
ドナーと家族の提供意思の確認シーン

エンターテイメントとしての進化と魅力

 31年間変わらないコンセプトを引き継ぎながら『明日への扉』はエンターテイメントとして毎年進化を遂げています。初期に音源を使用していた演奏は、学生が参加したビッグバンドへ、そして現在はミュージシャンを目指す学生のみで構成されるCOMエレクトリックオーケストラが全楽曲34曲を生演奏しています。また、第一幕のライブハウスのシーンでは、オーディションを勝ち抜いたバンドが演奏を披露。そして、客席から大きな拍手が湧き起こる、大人数でのダンスシーンは、バレエ、ヒップホップダンス、タップダンス、ラインダンスなど、幅広いジャンルを学べる本学園ならではの多彩なダンスがミュージカルの大きな魅力となっています。昨年から、若い世代に人気のK-POPダンスも加わりました。
 パフォーマンスを支えるスタッフも同様です。難しい生演奏の音響や、プロジェクションマッピングを使用した舞台制作、映像投影のオペレーション、照明など、最新技術を学びながら、学生たちが感動の舞台を作り上げています。

全曲を生演奏するCOMエレクトリックバンド
バンドが出演するライブハウスシーン
プロジェクションマッピングと音楽で第一幕を振り返る
タップダンス
ラインダンス
ヒップホップダンス
ダイナミックなアクロバット
若者に人気のK-POPダンスも披露
華やかで躍動感あるダンスシーン
音響スタッフ
舞台で準備を行う照明スタッフ
映像スタッフ

学生代表と夏目雅子ひまわり基金の小達一雄理事長が登壇
骨髄移植への理解と協力を呼びかけました

 6日(土)の最終公演では、終演後に舞台制作として演者のサポートを担当した東京スクールオブミュージック専門学校渋谷 スーパーeエンターテイメント科4年の代表学生が登壇しました。「現在、日本では56万人以上の方が骨髄バンクに登録されていますが、ドナーが見つかってもお断りされてしまうケースがあります。また、検査・治療に多大な費用がかかります」と骨髄移植の現状と課題を説明し、出演者とともにドナー登録への理解と募金を呼びかけると会場から大きな拍手が湧き起こりました。お預かりした募金は、毎年卒業式にて、一般社団法人夏目雅子ひまわり基金、公益財団法人日本骨髄バンク、明日への扉実行委員会に『明日への扉』に関わった学生から直接贈呈しています。

 5日(金)の2公演には、その夏目雅子ひまわり基金の代表事務局長で、1985年に急性骨髄性白血病のため27歳の若さで逝去した俳優の夏目雅子さんの兄、小達一雄さんが登壇しました。小達さんは当時を振り返り「諦められませんでした。でも、諦めなくてはいけませんでした。しかし、時とともにこの病は治る病気へと変わりました。もし、ドナーに巡り会えたならば。治る病気となった今も、ドナーに巡り合えていないご家族、ご友人、あるいは関係者の方々は、今この瞬間も走り回っています」と家族の思いを語り、ドナーに関する認識と理解を観客に訴えました。

 最後に三浦さんが「この舞台を作り上げた総勢657名の学生たちです。たくさんの方に骨髄移植をご理解いただき、多くの命が救われることを願いながら、このミュージカルを続けて参ります」と力強く締めくくりました。ステージ上に黒いスタッフTシャツやスーツ姿の運営や音響、照明などを担当した学生たちが登壇すると、この日でもっとも大きな拍手と歓声が会場に響き渡りました。

舞台制作を担当した三浦さんが学生を代表して挨拶
家族の想いを語る小達一雄さん
キャスト、バンド、スタッフ、総勢657名の学生が一丸となって制作
毎年卒業式で募金を贈呈(2024年度卒業式)


2025年度 滋慶学園COMグループ社会貢献ミュージカル『明日への扉

主催 
滋慶学園COMグループ

『第186・187・188回 東京公演』
東京スクールオブミージック&ダンス専門学校
東京スクールオブミュージック専門学校渋谷
東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
東京俳優・映画&放送専門学校

『第189・190・191回 大阪公演』
大阪スクールオブミュージック専門学校
大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
大阪スクールオブミュージック高等専修学校

推薦
厚生労働省

後援
一般財団法人 夏目雅子ひまわり基金
公益財団法人 日本骨髄バンク 
江戸川区(東京公演)
大阪府教育委員会(大阪公演) 
大阪市教育委員会(大阪公演)
株式会社エフエム大阪(大阪公演)
         
特別協賛
青山商事株式会社 洋服の青山
株式会社学生情報センター
キヤノンITソリューションズ株式会社
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
サントリーホールディングス株式会社
株式会社ジェイ・エス・ビー
東洋ワーク株式会社
株式会社長谷工システムズ
ハニカムファクトリー株式会社
株式会社ライオン事務器

協賛
イオンディライト株式会社
株式会社オリエントコーポレーション
株式会社関西みらい銀行
ケイプランニング株式会社
ケン・ホテル&リゾートホールディングス株式会社
株式会社三十三銀行
株式会社滋慶出版
ジケイ・スペース株式会社
総合補償制度事務センター
株式会社曽我
損害保険ジャパン株式会社
電音エンジニアリング株式会社
東レ建設株式会社
NPO法人日本ホスピタリティ推進協会
株式会社日立ビルシステムズ
株式会社みずほ銀行
株式会社三井住友銀行
三菱オートリース株式会社
三菱電機ソリューションズ株式会社
株式会社三菱UFJ銀行
株式会社ミニミニ
名鉄観光サービス株式会社
理想科学工業株式会社
株式会社りそな銀行
をはじめ、137社の協賛を得て公演しました。

滋慶学園COMグループ社会貢献ミュージカル『明日への扉』公式サイト 
 https://www.asuenotobira.jp/